このたび、キーウォーカー社内でデザインチーム主催のTableau を使った社内コンペを開催しました。Tableauの「製造業ユーザー会」で提供されているデータセットを使用し、社員それぞれが思い思いのダッシュボードを作成しました。
実施してみて、データ活用に立ちはだかる“3つの壁”が見えてきました。本記事では、それらを実感とともに紹介し、どう乗り越えるかのヒントをお届けします。
※弊社デザインチームanemoについては、こちらをご覧ください
社内コンペ実施の経緯
キーウォーカーは、かねてよりデータ活用を推進する中で、社員のスキルアップと分析文化の醸成に取り組んできました。その一環として、今回Tableau製造業ユーザー会で扱っている「製造業に特化したデータセット」をテーマに、より実践的で創造的な場として社内コンペの開催を企画しました。製造業向けに提供されているデータセットを使うことで、業務に直結した視点を持ちつつ、自由な発想でダッシュボードを作成する機会を提供したいと考えたためです。
製造業データに特化したサンプルデータセットはこちらからダウンロードいただけます
出典:Tableau製造業ユーザー会
実施の概要
今回のコンペは、特定の課題を設けず、指定された製造業のデータセットを使い、参加者が自由にテーマを決めてダッシュボードを作成しました。
- データセット: Tableau 製造業ユーザー会で提供されているデータセット
- 参加形式: 個人またはチーム
- 提出物: Tableau Cloudにアップロードしたダッシュボードと、1枚の説明資料
審査は、マネージャー賞・社員全員による投票賞の2部門で実施。それぞれ異なる視点から作品を評価する仕組みにしました。マネージャー賞の優勝者には打ち上げの飲み会がタダになるという特典も用意し、参加意欲を掻き立てる工夫も取り入れました。

多彩な視点で生まれた作品たち
提出された作品は、予想以上にバラエティに富んだものでした。生産ラインのロス率を分析してコスト削減を提案するもの、製造プロセスのボトルネックを可視化するもの、はたまた社員のモチベーションを上げるためのユニークな指標を盛り込んだものまで、三者三様のダッシュボードが生まれました。


ビジネス的な観点にとらわれず、データの面白さを追求した自由な発想のダッシュボードも生まれました。データと向き合うことを心から楽しんでいるからこそ生まれた遊び心あふれる作品は、社内のデータ分析文化の豊かさを象徴していました。
データ活用を阻む「3つの壁」と得られた学び
今回の社内コンペは、社員のスキルアップだけでなく、データ分析を「楽しむ」という文化を醸成するきっかけとなりました。同時に、今回のコンペを通じて、企業がデータ活用を進める上で直面するであろう、以下の3つの壁が見えてきました。
1. 「時間の壁」:業務が最優先されてしまう
多くの社員にとって、日々の業務が最優先されます。データ分析は「いつかやりたいけど、時間がない」と後回しにされがちです。今回のコンペも、業務の合間を縫って参加してくれたメンバーがほとんどでした。
<学びと対策> この壁を乗り越えるには、経営層やマネージャーがデータ活用を「業務に役立つもの」として明確に位置づけることが不可欠です。また、今回のコンペのように、短期間で結果が出る小さなプロジェクトから始めることで、参加へのハードルを下げることができます。成功体験を積み重ね、データ分析が「楽しい」「役に立つ」と感じられるようにすれば、自ずと時間は作られるようになります。
2. 「知識の壁」:専門知識が立ちはだかる
参加者からは「データの読み解き方が難しい」といった声が聞かれました。データ分析ツールは扱えても、製造プロセスなどのドメイン知識がないと、どのデータが重要なのか、ビジネス課題とどう紐づければよいのか分からない、という本質的な課題です。
<学びと対策> この壁を壊すには、データ分析の「伴走者」を置くことが有効です。今回のコンペでは、企画段階で「分析のキックオフがあってもよかったのでは」というフィードバックもありました。次回は、参加者が抱える課題や疑問に対し、担当者がサポートできる体制を整え、誰もがスムーズに始められる環境を提供したいと思います。
3. 「目的の壁」:ゴールが不明確
今回のコンペでは、テーマを「製造業」と広く設定したため、「解決したい問題が決まっていないと、何を分析すればいいか分からない」「何を評価の軸にすれば良いか分からない」という声も聞かれました。これは、データ活用の現場で「何のために分析するのか」というゴールが不明確なままだと、成果が出しにくいという現実を表しています。
<学びと対策> データ活用を始める前に、「コスト削減」「生産性向上」といった具体的なビジネスゴールを明確に設定することが重要です。ゴールが定まれば、分析の方向性が決まり、成果に繋がりやすくなります。今後は「生産ロスを削減するためのダッシュボード」といったように、より具体的な課題を設定したコンペも企画していきたいと考えています。
現場のデータ担当者様へ
日々の業務でデータと向き合う中で、こんなお悩みはありませんか?
- データを分析しても、どう活用すればいいか分からない
- 現場メンバーにデータの面白さを伝えたいが、なかなか興味を持ってもらえない
- 新しいツールを導入したものの、使いこなせる人が少ない
私たちキーウォーカーは、今回のような「現場が主役」となるデータ分析トレーニングもをご支援しています。単なるツールの使い方を教えるだけでなく、現場のデータをテーマにした実践的なコンペやワークショップを通じて、メンバーが楽しみながらデータ分析のスキルとマインドを習得できるようサポートします。
今後「データ活用のためのトレーニングや研修を始めたい」「社内でのデータ分析文化を醸成したい」とお考えでしたら、ぜひ一度キーウォーカーにご相談ください。
現場の課題を解決するためのデータ活用を、私たちと一緒に始めませんか?お客様と課題を解決するパートナーとして、貴社のデータとチームに合わせた最適なソリューションをご提案します。
