本記事でカバーしているセッション
- Devs on Stage 2026:Analytics Without Limits
- The Action Layer: CyberAgent’s Roadmap to Agentic BI
- The Context Layer AI Needs to Work on Enterprise Data
- From Shop Floor to Top Floor: Analytics for Manufacturers
- Beyond Basic Config: Preparing Tableau Server for the AI Era
- Real-Time Nurse Observations to Actionable Insights
- Build Your Data Foundation with Tableau Next
- Accelerating Your Downstream AIB/I with Upstream Data Models
- Hitachi Sales DX Playbook: Enablement and Snapshot Wins
Devs on Stage 2026:Analytics Without Limits
Lauren Hampson氏(Senior Software Engineer, Salesforce)らが登壇し、「制限のないアナリティクス」を掲げて、Tableauの新機能をデモ中心に現在開発者が何を作っているか、何が変わるのかを示したセッションを行いました。Tableauの管理者・開発者・データアナリストに加え、ビジネスユーザーや意思決定層にも有用な、AI支援と接続性・運用性のアップデートが俯瞰できる内容です。
内容まとめ
- 開発チーム自身が「Analytics Without Limits(制限のないアナリティクス)」をテーマに、データ接続・AI機能・モバイル対応など20以上の新機能を実演された
- Tableau Agent、MCP(Model Context Protocol)、Tableau Nextの強化により、自然言語での分析・Slack連携・AI支援モデリングなど、データ分析の障壁を大幅に削減する機能が発表された
- Dev Stage Labsでは3つの実験的なプロトタイプ(Tableau Solve・Radial Layout・Project Bongo)が披露され、スプレッドシート的な柔軟性や放射状レイアウト、自律型分析エージェントなど次世代機能の可能性が示された
主要メッセージ
- 「分析は一部の専門家の作業」から「会話と支援で前に進む作業」へTableau Agentや会話型アナリティクス(Conversational Analytics)により、質問から理解、回答までを自然言語で短縮し、従来の“作り込み前提”を緩める方向性が読み取れる。
- 「つなぐのが大変」から「現場が自分でつなげる」へ、接続と取り込みが広がる流れ独自コネクタの持ち込みやREST APIコネクタ、セルフサービス接続などにより、データ到達までの障壁を下げようとしている。
- 「決まった形で見る」から「柔軟に操作し、試し、提案までつなぐ」へ広がる余地Tableau Solveのような“値の上書き・What-if・予測・最適化”を含む体験や、Project Bongoのような自律型分析のデモから、分析プロセス全体を短縮する方向性が示唆された。
The Action Layer: CyberAgent’s Roadmap to Agentic BI
CyberAgentが、既存のTableau Server資産を活用しながら、AIエージェントを前提とした「Agentic BI」へどのように移行しようとしているかを紹介したセッションです。データ基盤・セマンティックレイヤー・Slack連携を組み合わせ、AI活用を日常業務へ組み込む構想が共有されました。

内容まとめ
- CyberAgentがTableau ServerとTableau Nextを併用しながら、Agentic BI(AIエージェントを活用したBI)への移行を進める実践事例を紹介。既存資産を活かしつつ、新規AI用途はTableau Nextで開発する段階的アプローチを採用。
- Snowflake + DBT + Data 360でメダリオンスタイルのデータパイプラインを構築し、セマンティックモデル・ABAC・ローレベルセキュリティで信頼できるデータ基盤を整備。ChatGPTやClaudeからMCPを通じてアクセス可能に。
- SlackをBI統合の中心に据え、個人AI利用状況の照会、メトリクス共有、Inspectorアラートなど日常業務への組み込みを実現。GitHub IssueからClaudeでダッシュボード作成など、より広範なAgentic BI展開を計画中。
主要メッセージ
- AI活用のボトルネックは「回答能力」より「信頼できるコンテキスト不足」になりやすい従来はAIがデータ倉庫を探索して“それっぽい定義”を生成しがちだが、認定済み定義・リネージ・利用実態などの「信頼できるコンテキスト」を先に渡すことで、回答の一貫性と再現性を担保する方向性が示された。
- “定義のガバナンス”を保ったまま、調査・影響分析を短時間化できる可能性PII列の露出影響や変更による破壊範囲の特定など、通常は横断調査に時間がかかる作業を、コンテキストグラフを使って素早く辿るイメージが共有された。
- セマンティックレイヤーを作り直さず、既存のTableau資産をAIが継承して使う発想が中心Tableau上の定義や計算ロジックを読み取り、必要に応じてSnowflakeへクエリして結果を返す流れが提示され、従来の「人手でセマンティックを再実装する」アプローチからの変化が示唆された。
The Context Layer AI Needs to Work on Enterprise Data
Euno社によるエンタープライズデータ向けAIコンテキストプラットフォームの紹介セッションで、複数システムからメタデータを集約して「信頼できるコンテキスト」をAIエージェントに渡すことで、定義ブレや影響分析の遅さを短時間化できる可能性が示されました。対象はデータエンジニアやアナリスト、BI管理者、データガバナンス担当、AI活用推進者など、TableauやSnowflake等を利用する組織のメンバーです。

内容まとめ
- AIエージェント向けに、複数システムから認定済み定義・リネージ・利用実態などのメタデータを集約し、「信頼できるコンテキスト」を提供するアーキテクチャを紹介。
- PII列の影響調査や変更時の依存関係分析など、従来は横断的な確認が必要だった作業を、コンテキストグラフで高速に探索できるイメージを提示。
- TableauやSnowflakeなど既存資産を活用しながら、セマンティック定義をAIが継承して利用することで、再実装コストを抑えたAI活用の方向性が示された。
主要メッセージ
- AI活用のボトルネックは「回答能力」より「信頼できるコンテキスト不足」になりやすい従来はAIが倉庫を探索して“それっぽい定義”を生成しがちだったが、認定済み定義・リネージ・利用実態を先に渡すことで、回答の一貫性を担保する方向性が示された。
- “定義のガバナンス”を保ったまま、調査・影響分析を短時間化できる可能性PII列の露出影響や変更による破壊範囲の特定など、通常は横断調査に時間がかかる作業を、コンテキストグラフで素早く辿れるイメージが共有された。
- セマンティックレイヤーを作り直さず、既存のTableau資産をAIが継承して使う発想が中心Tableau上の定義や計算ロジックを読み取り、状況に応じてSnowflakeへクエリして結果を返す流れが提示され、従来の人手による再実装からの変化が示唆された。
From Shop Floor to Top Floor: Analytics for Manufacturers
Alli Bielaski氏(Senior Product Marketing Manager, Salesforce)とMike Kolman氏(Sales VP, MAE Tableau, Salesforce)が、製造業の現場〜経営までの意思決定をTableau Nextとエージェンティック分析でつなぎ、継続監視と“業務の場に届くインサイト”を実現する構想とデモを示したセッションです。製造業の経営層やサプライチェーン担当、データアナリスト、Tableau管理者、AI活用推進者など、分析結果をレポートで待つのではなく、日々のオペレーションで動かしたい人向けの内容です。内容まとめ
- Tableau Nextは製造業の課題(需要予測・運用コスト・納期遵守・レジリエンス)に対し、Agentic Analyticsで継続的モニタリングとリアルタイムインサイト提供を実現する次世代分析プラットフォームとして紹介された。
- AIエージェントが信頼できるビジネスコンテキストを理解し、Slack・CRM・モバイルアプリなど業務ツールへ直接インサイトを配信することで、「レポート待ち」から「即時アクション」への転換を目指す。
- Tableau CloudやTableau Serverへの既存投資を活かしながら段階的に導入可能であり、データ品質が完璧でなくても、接続済みデータからAI活用を始められる考え方が共有された。
主要メッセージ
- 製造業の分析は「レポートを見る」から「現場でアクションが回る」へ移行人が探して解釈して連絡する従来型から、エージェントが監視し、必要な相手へ業務ツール上で通知する方向への変化が強調された。
- AIを効かせる前提は、信頼できるビジネスコンテキストの整備メトリクス定義や運用ロジックが曖昧だと精度が不安定になりやすいため、セマンティックレイヤー等で“意味”を揃える重要性が示された。
- 「データが完璧になるまで待つ」をやめ、接続されたデータから小さく始めるのが現実解接続できる範囲でユースケース検証を進め、反復的に信頼性を高めていく段階導入の考え方が提示された。
Beyond Basic Config: Preparing Tableau Server for the AI Era
Paul Moran氏(Tableau Customer Success Manager Director)が、Tableau ServerでAI時代に備えるための「Tableau MCP」と「Tableau Agent」の導入・設定が想像より簡単であることを、手順とデモを交えて紹介したセッションです。Tableau管理者・Server運用担当・BI開発者・データアナリストなど、オンプレミスやServer環境でAI活用を進めたい人向けの内容です。

内容まとめ
- Tableau MCPをClaude Desktopへ接続する設定は、Personal Access Token(PAT)の作成とMCP拡張機能のインストールだけで完了し、比較的容易にセットアップできることが実演された。
- Tableau Agentを有効化するには、OpenAI APIキー取得とTableau Server設定画面でのモデル指定が必要であり、1質問あたり約6〜7セント程度で利用可能と紹介された。
- Tableau AgentはTableauデータソースのみを参照するため、フィールド名をビジネスフレンドリーに保ち、具体的な指示を段階的に与えることが効果的な活用ポイントとして共有された。
主要メッセージ
- Tableau Serverでも“AI接続と作業支援”は少ない設定で始められる従来は難しい印象があったMCP連携も、PATと拡張機能中心の構成でPoCに着手しやすくなっている。
- Agentの品質は「データの言語化(フィールド名・指示の明確さ)」で大きく左右される曖昧な指示や機械的な項目名では期待どおり動きにくく、“人が読めるデータ”を前提に具体タスクを反復する重要性が示された。
- まずは制限とリスクを理解し、できる範囲から運用に組み込むのが現実的Catalog非対応やダッシュボード作成不可など制約もあるため、用途を絞った段階導入の考え方が共有された。
Real-Time Nurse Observations to Actionable Insights
医療現場のベッドサイド申し送り(Bedside Shift Reporting, BSR)を、モバイル記録〜データ整備〜可視化まで一気通貫で分析し、現場運用を改善した事例を紹介したセッションです。看護部門の管理者・現場改善担当・医療IT・データ分析担当など、「業務を回しながらデータで品質と生産性を上げたい」人向けの内容です。

内容まとめ
- 看護師のベッドサイド申し送り状況を、PowerAppsでのリアルタイム入力からSharePoint保存、Tableau Prep整備、Tableau可視化まで連携する分析基盤を構築。
- 従来は1日30分かかっていた紙ベース運用を、モバイル入力とダッシュボード自動化によって5分程度まで短縮し、管理者が患者ケアや指導へ時間を使えるようになった。
- パフォーマンススケールを用いて看護師の成長傾向や部署別コンプライアンスを可視化し、データドリブンなコーチングと継続改善を実現した。
主要メッセージ
- 「申し送り」は記録の有無ではなく、データで運用品質を回す対象になる記録から分析までを繋げることで、改善ポイントを迅速に特定しやすくなる。
- 現場に合わせた入力設計+データ整備が、継続利用される分析の前提になるモバイルで現場入力しやすくしつつ、Tableau Prepで分析可能な構造へ整えることで、その後の比較や可視化が成立しやすくなる。
- 可視化のゴールはダッシュボード閲覧ではなく、コーチングと意思決定の短縮個別〜組織単位まで傾向を追えることで、経験則に頼りがちだった改善活動をデータ起点で進めやすくなる。
Build Your Data Foundation with Tableau Next
Tableau Nextの「セマンティックモデル(Semantic Model)」を土台に、AIによるモデル自動生成やAgent向け最適化機能を通じて、“信頼できるデータ基盤”を構築するアプローチをデモ中心に紹介したセッションです。Tableau管理者・開発者・データアナリスト・データモデル設計者など、AI活用を見据えてメトリクスや定義、メタデータを整備したい人向けの内容です。内容まとめ
- Tableau Nextのセマンティックモデルには、UI・コードベース・AI生成の3つの構築方法があり、AI支援によって短時間でモデル生成できることが紹介された。
- 説明文自動生成・類似性検出・QAキャリブレーションなど、Agent向け最適化機能により、精度向上やハルシネーション抑制を実現する仕組みが提示された。
- 組織固有の用語や複雑なビジネスロジックを再利用可能なコンポーネントとして定義することで、Agentが深い業務コンテキストを理解できる方向性が示された。
主要メッセージ
- セマンティックモデルが“AI時代のデータ基盤”になり、作り方も多様化UIやコード管理だけでなく、AIによる自動生成によってモデル構築の立ち上がりを短縮しやすくなる。
- モデルは「作る」だけでなく「再利用できる形に設計する」ことが重要にComposableに定義を積み上げることで、運用負荷や定義ブレを抑えやすくなる方向性が示された。
- Agentの精度は、メタデータ整備と“検証ループ”で高めていく設計説明文生成・類似性整理・QAキャリブレーションを通じて、継続的に品質担保する考え方が共有された。
Accelerating Your Downstream AI/BI with Upstream Data Models
Tableau Pulseを軸に、「下流(ダッシュボード・レポート)で頑張るほど複雑になる」状況を、上流データモデリング(Upstream Modeling)で解消し、AI・BI活用を加速する考え方と実例を紹介したセッションです。Tableau管理者・データアナリスト・BIチーム・データ基盤担当・意思決定者など、KPI定義やガバナンスを整えて“速く信頼できるインサイト”を届けたい人向けの内容です。

内容まとめ
- 2026年のBIでは「速さ・文脈性・パーソナライゼーション」が重要になる一方、多くの組織では下流層で複雑性を解決しようとして非効率が発生していると指摘。
- 上流のデータモデル層で信頼できるメトリクス定義を一元化することで、重複作業削減・ガバナンス強化・AI体験の信頼性向上を実現できる。
- Tableau Pulseは、上流で定義した認定メトリクスをユーザー業務フローへ直接届ける仕組みとして紹介され、BJ’sの導入事例も共有された。
主要メッセージ
- AI・BIを速くする鍵は、下流の工夫ではなく上流モデルにあるダッシュボード側で個別ロジックを持つのではなく、上流定義を再利用することで、到達時間と定義ブレを減らしやすくなる。
- 「単一の真実の情報源(Single Source of Truth)」を、認定データとして独立させる発想が効くBI自体を真実のソースにするのではなく、認定データを中心に据えることで、説明可能性とガバナンスを組み込みやすくなる。
- Tableau Pulseは“探しに行く分析”から“届くインサイト”へ寄せる仕組みメールやTeamsなど業務フロー内へ変化やトレンドを届けることで、活用の起点を作りやすくなる。
Hitachi Sales DX Playbook: Enablement and Snapshot Wins
日立製作所のコーポレート部門とエネルギーセクターの登壇者が、Tableauを軸にした営業変革の進め方と、Salesforceの履歴スナップショット(Snapshot)活用を含む実践例を紹介したセッションです。Tableau管理者・データ活用推進者・営業DX担当者・CRM導入から運用に関わる担当者や意思決定層向けの内容です。

内容まとめ
- 日立製作所が全社横断でTableauを活用した営業変革を推進し、Foundation(基盤)・Talent(人材)・Culture(文化)の3軸でセルフサービスBI環境を整備。
- エネルギーセクターでは8ヶ月間で段階的な導入を実施し、Salesforceの履歴スナップショット1,500フィールド以上を統合してデータドリブンな意思決定を実現。
- 社内コミュニティ「Tableau Doctor」やプロトタイプ駆動のアプローチにより、現場主導でTableau活用を浸透させ、将来的にはAgentforce活用も視野に入れている。
主要メッセージ
- “ダッシュボードを作る前に、使える土台と型を用意する”のが営業変革の近道データとサンプルをセットで提供し、ユーザーが自走しやすいセルフサービスBIへ寄せていく姿勢が強調された。
- “作らされる”から“自分で作りたい”へ、所有意識の転換が浸透の決定打短期間でプロトタイプを回しながら改善することで、トップダウン導入から現場起点の定着へ移行していく考え方が共有された。
- “現在だけを見るCRM”から“履歴も含めて判断できるCRM”へ(スナップショット統合)Salesforceの履歴データを蓄積・統合し、変化やトレンドを追える状態を作ることで、より高度な意思決定へ繋げる方向性が示された。
おわりに
以上、現地メンバーのメモを特急でまとめ、Tableau Conference 2026 DAY 2のハイライトをお届けしました。
DAY 2を通じて明らかになったのは、AIはもはや「遠い未来の技術」ではなく、「既存の資産(Tableau Serverや既存データ)をどう活かし、現場の業務フローにどう流し込むか」という具体的な実装フェーズに入ったということです。
今後も、現地参加メンバーから共有された内容をもとに、注目セッションや最新アップデートを発信していく予定です。ぜひ次回のレポートもご覧ください!