DS協会10thシンポジウム参加レポート

シンポジウムの概要

基調講演

こんにちは!データサイエンス部でアシスタントをしております松枝です。10/20(金)に東京、恵比寿のウェスティンホテル東京で開催された「データサイエンティスト協会10thシンポジウム」に参加してきましたので、弊社参加者と共同執筆でその感想を書いてみたいと思います。

データサイエンティスト協会とは

一般社団法人データサイエンティスト協会はデータサイエンスにおける最新のトレンドや技術についての情報提供、教育プログラム、ワークショップ、コンファレンスなどの活動を通じて、データサイエンティストのコミュニティを支援しています。

データサイエンティストという新しいプロフェッショナル職が健全に発展し、日本社会に貢献することを目的に設立された一般社団法人の団体です。セミナー、トレーニング、他団体との協業などを通じて、データサイエンティストを取り巻く環境の整備をし、交流促進などにも取り組んでいます。

弊社はデータサイエンティスト協会の法人会員になっており、調査研究委員会や各種イベントに参加しています。

シンポジウムの概要

今回のシンポジウムは約30名の登壇者による迫力の全19セッションが繰り広げられました!

ハイブリッド開催で現地参加は285人、オンライン参加は379人で過去最大の参加人数となり、大盛況だったようです。

プログラムの詳細はシンポジウムのHPをご確認いただければと思いますが、

今年はやはり全体的に生成AI系のセッションが多い印象でした。

また、現地参加で聴講をしましたが、全体的に若手の参加者も多く、とても活気がある印象も受けました。

以降はいくつかのセッションをピックアップして、印象に残ったことなどを紹介します。

基調講演

⌚10:05 – 11:35 『次世代AIかじ取り:進化するAI技術と未来への展望』

登壇者:岡崎 直観 氏(東京工業大学 情報理工学院)、松原 仁 氏(東京大学 次世代知能科学研究センター 教授)

まず最近の生成AIの能力として何点か功績を挙げていました。 具体的には、アメリカの司法試験や医師国家試験など、最難関試験の合格ラインに届いているということみたいです。とんでもないですね。あるタスクに特化したAIではなく、汎用的なAIの実現も近いのではないのでしょうか。

また、子供ロボットに生成AIを載せるという研究が世界中で盛んに行われているみたいです。

「身体」を与える理由としては、身体性によって次のようなことが望めるからです。

  1. 人間の子供と同じように学習できる可能性
  2. 従来のAIが苦手としていた空間認識能力を育める可能性

AI×ロボットと聞いて鉄腕アトムやドラえもんを想起するのは私だけではないはず。とてもワクワクできる時代に生まれたとつくづく思います!

最後に、質疑で気になったトピックを一つ挙げたいと思います。

それは「プログラミングなどについては生成AIに聞けばすぐに答えがわかるという世界。そのような中、高等教育ではこれから何を学んでいけばよいのか」という質問です。

こちらに対する回答としては「ロジカルシンキングや思考力、原因を推定する能力などの様々な力をプログラミングから得られるため、プログラミングも今まで通り学ぶ必要がある」とのことでした。

まさに仰る通りだと感じました。プログラミング言語だと文法が凝り固まっているため、基本的に曖昧さを許しません。つまり、完璧に筋道の通ったコードを書かないといけないということです。このような性質があるため、単純なプログラミングスキル以外の能力も身につくと思います。

⌚11:45 – 13:15 スキル定義委員会セッション ~スキルチェックリスト、タスクリストバージョ ン更新と生成 AI〜

登壇者:安宅 和人 氏(慶應義塾大学 環境情報学部 教授/Zホールディングス株式会社 シニアストラテジスト) 佐伯 諭 氏(データサイエンティスト協会 スキル定義委員会 副委員長)他

毎年恒例(?)のスキル定義員会の方々によるセッションです。

2021年に公開された第4版からのアップデートについての内容がメインでした。

主に生成AI関連のアップデートが中心でしたが、個人的には以下のことが印象に残っています。

  1. 生成AI系のスキルはプロとしての活用を考えた視点でスキルレベルを定義している (そのため、プロンプト関連は見習いレベルとしている)
  2. これまではAIの実装スキル自体の重要度がとても高かったが、これからはAIを使い倒すスキルや業務にフィットさせていくスキルの重要度が増してくる
  3. ただし基礎はこれまで同様大切であり、生成AIの登場で不要になったスキルはない
 

生成AIの登場でAI活用のハードルは下がりましたが、業務レベルで活用するためにはこれまで同様にベースとなる理論の理解に加えて、ビジネスサイドの知識や、解決したい課題に合わせて作り込んでいくスキルが重要になると感じました。

私もまだまだ足りないスキルがあるため、ChatGPTを活用して、技術の進歩に置いていかれないように学習したいと思います!(笑)

なお、2023.10.30 に2023年度版の”データサイエンティスト スキルチェックリスト ver.5”および”データサイエンス領域タスクリスト ver.4”が発表されています。 本セッションの発表資料も含め、以下のページ経由でダウンロードできますので、ぜひ確認してみてください。 https://www.datascientist.or.jp/news/n-pressrelease/post-1757/

⌚15:20 – 15:35 スポンサーセッション:サービスを育てるデータサイエンスチームのつくりかた

登壇者:吉川 寛 氏(株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニーサービス開発室 室長)

データアドベンチャーのHP https://www.dataadventure.co.jp/

組織開発とデータサイエンスをそれぞれ専門で担った経験がある吉川さん!

大阪出身というだけあり、クールな外見からは思いつかないユーモアのある話し方でとても面白かったです、(笑)。

今回お話頂いた内容の流れとしましては、「チームの時間変化と関係部署変化による役割の多様性」ということで、3期(黎明期、成長期、成熟期)における重要なことをお話いただきました。

  • 黎明期:なんかあいつらに頼むとすごそうとおもってもらうこと!
  • 成長期:ビジネス変化を検知する業務プロセスを構築することが重要!
  • 成熟期:分析、データ品質の徹底化!
 

「成長フェーズや取り組む対象・協力者によっても必要となるスキルが異なるので、データチームに与えるミッションはデータを取り扱う技術を持つ人とそうでない人の垣根を超えたミッションであることが大切。」というお話がありました。本当にそうだなっと実感しました。

弊社参加者の感想

内田

生成AIの登場でAIを活用すること自体のハードルは下がっていますが、一番の視点は課題解決であるといったことが頻繁に言われていたような印象でした。 私もその視点を忘れず、お客様の意思決定を的確にサポートできるようになりたいと思います。

松枝

初参加でしたが、個性豊かな方々と交流できて、とても充実した時間を過ごせました。 ドメイン知識を持つ人が強いということですので、私も、これからそうなるように精進したいと思いました。

岡田

自分と同じ20代の方も多く、他業種に勤める同世代の方の意見や考え方を聞くことができ感銘を受けました。様々な業界の方々とお仕事を共にする機会も多くあるので、今後の業務やキャリアに活かしていきたいと思います。

小林

テクニカルな部分からビジネスサイドのお話まで多様なインプットができる場でした。懇親会では普段関わらない方々と交流することができ、とても新鮮な経験ができたと思います。

おわりに

長くなりましたが、最後までお読みいただいた方、ありがとうございました!

弊社データサイエンス部鳥越リーダーと昼田は、2021年5月よりデータサイエンティスト協会の調査研究委員会に参加しています。以下は鳥越と昼田が執筆した記事です。

4.2%-生成AIのツール・アプリの業務での利用率』をテーマに調査結果を考察

日本:24.3%、アメリカ:35.5%-AIに対するイメージ「人間の仕事を奪う」

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