【調査】生成AI「人材不足」で片づける前に見るべき、活用の3段階

生成AI活用の3段階を表す、少人数から多人数へと積み上がる階段状のイラスト

Q. なぜ生成AIの利活用が浸透しないんですか
A. 人材不足です(だって現場がそう言ってるし…)

それ、ちょっと違っているとしたら…?

たとえば四半期に一度の会議で、こう聞かれたことはありませんか?

「前回リテラシー研修をやったのに、なぜ遅々として生成AIが浸透しないのか!!」

耳が痛い。研修は間違いなくやった。チャットAIを全社展開した。なのに決まった人たちしか使っていない。これは一体どういうことか……。

この問題、何も貴社に限った話ではありません。私たちキーウォーカーが2026年に実施した調査(生成AI導入済み企業の部長クラス以上1,004名対象)では、生成AI導入済み企業に絞ってもなお、72.3%が活用の入口段階(=個人が思い思いに使うだけで、業務に組み込めていない状態)に留まっていました(※1)。どうしてこのようなことが起こってしまうのでしょうか?

この記事から持ち帰れること

  • キーウォーカー調査では全社導入済みの企業のうち、72.3%が活用の初期段階にとどまっている
  • つまずく課題は活用段階によって入れ替わる、そのため必要な「人材」は毎度異なる
  • だから打ち手は、自社が今どの段階にいるかを特定してから選ぶ必要がある

社内で生成AIが活用されるまで

先ほどの72.3%は、いわば全員が同じ「入口」に立っている状態です。しかし、大事なのはその先。入口をうまく抜け出せた企業も、次はまた別の壁にぶつかります。見方を変えると、社内での生成AIの普及段階によって、生じる課題は大きく異なると言えるのではないでしょうか?

生成AI活用の3ステップ(AIチャット導入・組織ユース・民主化)と、各ステップ間の組織化のポイントを示す図

図にあるとおり、Step1→Step2は「使う」を組織の仕組みにすること(巧みな使い手による個人技を、業務活用として共有)。Step2→Step3は「作る」を組織の仕組みにすること(一部の作り手頼みを、各部門が自走できる形にする)です。「使う」が非属人化したら、次は「作る」も非属人化する、という順番です。

とはいえ、こんなもの、絵に描いた餅ではないのか? そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。ここで先ほどの調査がカギになります。実はキーウォーカーは独自の調査結果(出所は末尾に記載)からこの仮説を導き出しているのです!

生成AI導入済み企業の部長クラス以上の方1,004名の回答をもとに、各社の段階ごとに主要課題をまとめると以下のようになりました。

生成AI活用の段階別に見た課題の割合と内容を示すグラフ(Step1移行中からStep2→3移行まで)

前述の見方を持ち出してデータをとらえると、ある特徴が見えてきます。繰り返し上位に食い込んでいる課題がありますね? それこそが「人材」なのです。では、ここからは、その特徴とは何か、そしてどんな手を打つかについて深掘りしていきます!

現場の声が、相変わらずでも

生成AIの普及・浸透が進んでいったとしても、現場で叫ばれる声というのは、えてして同じものだったりするものです。先ほどの図を見ると、何度も出てくる項目がありますね。そう、「人材」。確かな存在感を放っていますよね。

「人材が足りない」

この一言が、活用の初期にも、軌道に乗ってからも、繰り返し出てくるわけです。なるほどその一言に限っては、「ずっと同じ」ではあります。だからこそ、多くの担当者は「うちはずっと人材不足なんだな」で片付けてしまう、とも言えるのです。

もう一度、私たちの調査データを段階別に見ていきましょう。本当に「何も変わっちゃいないよ~」状態なのでしょうか? 各段階で組織が抱える課題とセットでみると捉えやすいところなのですが、一口に「人材」とはいえ、期待されているものは明確に異なっています。例えばこういうことです。

「人材が足りない」という同じ声の水面下にある、段階ごとに異なる本当の課題を示す氷山の図

現場から上がる声自体が変わっていないにもかかわらず、どんな人材を求めているかは変わっている。この点は極めて重要です。そうならば、

Q. なぜ生成AIの利活用が浸透しないのか
A. 人材が足りないから

これは満点ではなかったということになりますね。

なぜなら、生成AI活用の段階によって、足りない人材の種類が違うからです。まだ見ぬヒーローが担うべきなのは、リテラシーの横展開なのか、推進者的立ち回りか、それとも企画・開発の担い手か……。ここを取り違えたまま研修を実施しても、また次の四半期末には耳の痛い一言に直面しかねない、というわけです。

どこへ向かうか、何が要るのか

一般論は一般論として、「自社が今どの段階にいるかを把握できたら苦労はないのさ~」というのも、偽らざる実情かもしれません。「使えている」「作れている」「みんな使ってる」の基準が、それこそ人によって違うからです。

そこで、次の質問に沿って、貴社・貴部署の現在地を把握してみてください!

社内での生成AI活用状況を診断するためのフローチャート(Step1移行中からStep3実現までの分岐図)

終点はどこでしたか?診断結果ごとの課題と、必要になる人材は次の表のとおりです。

段階最大の課題必要な人材
Step1移行中/推進入口の不安・広める人がいないリテラシーを横展開する“伝道役”
Step1→2 移行学習利用・セキュリティ等の論点で意思決定が止まる論点を次々に捌く“推進役”
Step2 推進現場(他部門)の巻き込み業務にエージェントを実装する“作り手”
Step2→3 移行/
Step3
「作れる」を各部門へ広げる担い手不足作る力を横展開する“民主化の担い手”

「使う」の普及、「作る」人材の掘り起こし、「作れる」人材の育成……貴社・貴部署の段階に近い打ち手について詳しい情報をお求めの方、あるいはより正確な状況分析をご所望の方は、ぜひキーウォーカーにご相談ください!

キーウォーカーがご支援できること

キーウォーカーでは、各段階で必要になる人材の育成・仕組みづくりについて、伴走型の支援実績があります。

  • 伝道役の育成:現場への活用浸透を担う人材向けのトレーニング・ワークショップ
  • 作り手の育成:業務にエージェントを実装するためのクイックウィン作成支援
  • 推進体制の構築:ロードマップ策定と、実行段階までの伴走支援

貴社・貴部署の段階にあった打ち手について、あるいはより正確な状況分析などについて、ぜひお気軽にキーウォーカーにご相談ください!

出所:株式会社キーウォーカー独自調査『企業における生成AI活用の実態と内製化に向けた課題・期待』(n=1,004、生成AI導入済み企業・部長クラス以上)/<某社>様社内アンケート(延べ303件)

※1: 72.3%はStep1移行中・Step1推進・Step1→2移行の合算値

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