【Looker最新機能】手軽にできるセルフサービスExploreの始め方
はじめに
Looker25.20.11の新機能「セルフサービスExplore」が12月3日にリリースされました。 セルフサービスExploreとは、LookMLによるデータモデリングやDB接続を用意せずにCSV/Excelをアップロードして、Exploreで可視化できる新機能です。この機能により、ビジネスユーザーがより手軽にLookerで分析を行うことができるようになりました。
本記事では、LookerユーザーがセルフサービスExploreでCSV/Excelを用いた分析・可視化を行う際の設定と手順を解説します。
※本機能はプレビュー版であり、仕様は今後変更される可能性があります。最新情報は公式ドキュメントをご確認ください。
Lookerの仕組みについて
セルフサービスExploreの説明に入る前に、Lookerの仕組みについて簡単に解説します。
Lookerはデータベースと直接接続し、LookMLというデータモデリング言語で集計ロジックをあらかじめ定義してから分析や可視化を行います。これにより、部署内で統一された指標を利用できるのが強みになっています。ただし通常は、DB接続やLookMLの設定などを開発者が行う必要があります。
セルフサービスExploreは、そうした準備なしで利用できるため、ビジネスユーザーでも手軽に使いやすい機能になっています。
Lookerで本格的な可視化を行う前に、とりあえず可視化してみるといったPoCが実装できる面でも便利です。
設定
セルフサービスExploreを利用するために、管理者側で下記の設定が必要になります。
- DB接続でのPDT(永続派生テーブル)の設定
- ユーザーのデータアップロードを許可する設定(管理者権限)
PDTの説明については、ここでは長くなるため割愛します。ユーザーのデータアップロードを許可する設定は、管理者権限によって設定できます。
上記の設定によってLookerユーザーがデータをアップロードして、セルフサービスExploreを行う準備が整いました。次は具体的な手順について解説していきます。
セルフサービスExploreの手順
Lookerホーム画面から作成をクリックします。データのアップロード(新規)という項目が追加されていますので、そちらをクリックします。
データをアップロードのウィンドウが出てきますので、CSVやExcelファイルをアップロードします。アップロードするデータのサイズには制限があり、100MBまでとなっています。
今回はTableauでお馴染みのサンプルスーパーストアのCSVをアップロードしてみます。
アップロードが完了すると、下記の画面に移ります。
Exploreで可視化する前に、こちらでディメンション、メジャーの設定やデータ型の設定ができます。
通常ではLookMLでデータ定義の記述が必要になりますが、セルフサービスExploreではLookMLが不要になった点が非常に便利です。
すぐにExploreの画面に移行したいですが、よくみると売上や利益といったメジャーがディメンションとして認識されてしまっているようです。可視化する前にデータ型を変更してあげる必要があります。
メジャーの設定を追加したいので、右下のAdd measureをクリックします。
メジャーの作成というウィンドウが表示されますので、測定するフィールドからProfitを選択し、集計形式や名前、ラベルを指定します。ここで指定したラベルがExploreに表示されるようになります。
メジャーは作成できましたが、ディメンションにもProfitやSalesの数値型フィールドが残っています。こちらは非表示設定にすることで重複を避けます。非表示は歯車マークから設定できます。
ここまででProfitをメジャー化し、重複するディメンションを非表示にできました。諸々の設定が終わったので、いよいよExploreを使ってみます。
フィールドの一覧をみると、先ほど設定したメジャーとディメンションが表示されています。
Order Dateなどの日付型はデータアップロードの段階で自動的にディメンショングループとして設定されるようです。
集計と可視化はLookMLで定義する場合と同様に実行することができます。
ダッシュボードも通常通り作成することが可能です。
セルフサービスExploreでアップロードしたデータに対して、会話分析を実行することもできます。一度アップロードしたデータは、データソースとして選択可能になるため、他のユーザーと共有することも可能です。
セルフサービスExploreがもたらす価値
従来の使い方では、データベース接続やLookMLモデルの作成など開発者側での作業が必要であり、ビジネスユーザー側が自発的に活用するシーンは限られていました。
セルフサービスExploreはビジネスユーザー側が任意にデータをアップロードして探索することができます。これにより、Lookerの開発者やユーザーといった固定的なロールがある程度解消され、Lookerというプラットフォームを中心したセルフサービス分析を一層推進することができます。
ただしセルフサービスExploreによるデータアップロードが頻繁に行われると、ExcelやCSVのデータがLookerに蓄積されることになるため、データガバナンス面で問題が発生する可能性があります。
こういった事態を回避するためにも、セルフサービスExploreの使い方のガイドライン(データ保管方針など)を定めておく必要があると考えられます。
おわりに
Lookerは単なるBIツールにとどまらず、データモデリングや外部ツール連携などの機能が充実しているデータ活用プラットフォームとなっています。セルフサービスExploreは、さらにプラットフォームとしての活用シーンを充実させる機能として期待されます。
Lookerの導入や活用においてお困りごとがあれば弊社までご相談ください。











