Tableau2025.2新機能 ”Dynamic Spatial Parameters”試してみた
はじめに
2025/6/18にTableau2025.2がリリースされました。
https://www.tableau.com/products/new-features
注目の機能としてDynamic Spatial Parametersがあります。
この機能は、地図のワークシートで表示されている領域をパラメーター化することが出来る機能です。
これにより実現されることについて詳しく解説していきます。
従来の課題
以下のように2つの地図が並ぶダッシュボードがあるとします。

従来では片方の地図を見て何かインサイトを得たときに、もう片方の地図で同じ個所を見るには手動で近くまで合わせに行かなければなりませんでした。手動でやる必要があるため手間がかかる上、正確性も欠けます。

今回、表示される領域そのものがパラメーターに格納される仕様となるため、スピードも正確性も実現することが出来ます。
新機能で出来るようになったこと
パラメーターの作成画面でデータ型を「空間」に設定すると、新たに「動的な値」を設定できるようになっています。

これはアクションと同様に、どの画面を使用してそのパラメーターを取得するかを選択することが可能です。
ワークシートであればワークシート画面、ダッシュボードであればダッシュボード内のどの地図のワークシートをパラメーターとして使用するか、が選択できます。
この状態で地図を動かすと、パラメーターに以下のような文字列が配置されます。


この座標を結ぶと、地図上で表示している長方形になります。
このパラメーターを使用して様々なことが出来るようになります。
活用例
例1:複数地図の同期
以下のような計算フィールドを作成します。

INTERSECTS関数とは、2つの空間ジオメトリに対し、重なればTRUE、重ならなければFALSEを返す関数です。

これをもう片方の地図のワークシートのフィルターに配置します。
この状態でもう片方の地図の固定を外し、もととなる地図の位置を変更することで、もう片方の地図も近い領域をズームするようになります。
厳密にはズームや拡大される領域に誤差は出ますが、ほとんど同じ領域をズームすることが可能です。

例2:別の地図へのマーキング
作成したパラメーターをそのまま計算フィールドに入れます。

作成した計算フィールドをマップレイヤーに追加します。

マークをマップにすると、一方の地図の表示領域が四角で囲われます。

塗りつぶしや枠線をお好みに設定します。
元となる地図を動かすと、その表示される領域をもう一方の地図が囲うように見せることが出来ます。
これにより、現在表示している地図が全体のどの領域なのか、というのが一目で分かるようになります。

おわりに
地図による可視化は隣接や距離などの関係が直観的にわかりやすく、エリアマーケティングなどの分析に有効な手法です。
今回の”Dynamic Spatial Parameters”により、これまでのTableauで苦手だった複数の地図の連携が可能となりました。
ぜひこの新機能をご活用ください。
